ああ
わたしが愛した古いうたが
いまもまだ悲しく鳴っている
永遠に幸せにはなれないと思っている子どもたち
永遠に母に抱かれることはないと思っている子どもたち
飢えや憎しみだけが糧だと思っている子どもたち
悲しみのなかで一縷の希望にすがることが生きていく道だと思っている
悲しいうたが
悲しいうたが
自分たちだと思っている
彼らよ

ああ
わたしの愛したうたは
いまもまだ鳴り続け
淋しさを縫い続けている
その無力さの
たえがたい愛しさ

ああ希望を知らぬものは
希望を知らぬまま飛んでいけ
愛されないと思うものは
愛されぬまま生きていけ
切望するものは手に入らぬと思うものは
その絶望のなかを生きていけ
憎しみに燃えるものも
復讐の炎で身を焦がせ
それがいい
それでいい
それで十分
それでも愛しい
そんなものだからこそ愛しい

苦しみにみずから溺れていく人たち
途方もない愛しさ

わたしの愛した古いうたは
いまもなお悲しく流れ続け
地獄を生きる子どもたちは
永遠にそうして生きていこう



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2018/12/31





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