何度も何度も愛してきた
削れるたび
すり潰されて消えていくたび
そのたび
愛してきた
この愛が底をつくことなど
ないだろう

傷つきうめき
地を這い涙と血を流す
そのひとたちの
なんと愛しいことだろう
苦しめられ
痛みにもだえ
砂を噛むほど
生きる味をおぼえ
生きずにはおれなくなってくる
わたしたちの
なんと愛しいことであろう……

痛めば痛むほど
愛しいのはなぜだろう
身悶えるほど
生きていきたくなっていく
傷つけられ
がらくたのように扱われるほど
立ち向かっていきたくなる
負ければ負けるほど
何度でも
挫ければ挫けるほど
何度でも
そして届かなければ届かないだけ
思ってしまう

ああたしかに
たしかに世界には
生きる価値がある
絶望に打ちひしがれ自害を試みたわたしは
ありえないほど強くなった
弱さが消えたのではない
ただ
弱い自分とのつきあいかたを
思い出したのだ

まだ愛すだろう
愛せば愛すほど
不思議だ
愛は増えていく

あなたを一度でも愛せば
もう愛することをやめることはできないだろう
一度でも愛せば
愛が覆ることはない
たとえ憎しみをおぼえても
どうせまた戻ってくる
どうせまた愛す
毎日毎日
一秒一秒
愛していってしまう

木漏れ日があなた
風のなかでわたしは
千年もあなたを愛すだろう



それは滅びない
2018/12/16





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