ああずっと
思いえがいていたいだけだ

なにもかもが散乱する
旋回している思考のかけら
こころをピースのように数えたのはだれだろう
たしかにそういうことがある
ただ曖昧なものだけを愛したくなるときがある
不思議だ
人生はただの一度も
迷うことはなかった
迷っていたのはいつも
わたし一人のものだった

ああ
わたしも歌がうたえたらいいのに

ああ
わたしも映画を撮れたらいいのに

ああ
わたしも絵をかけたらいいのに

ああ
わたしも念でものを動かせたらいいのに

ああ
わたしもつばさを持っていたらいいのに

ああ
わたしも男になれたらいいのに

ああ
欲しいものぜんぶ
手に入らないままでいさせて

わたしはいまで十分しあわせだから
これ以上のことが起こると
こごえてしまいそうだ

ああ
頭のなかで組み立てられる無限の物語に
答えはいらない

焦がれていく物語に
溶けこんでいくわたしのかたち
あの彫刻に刻まれたうつくしい胸とまつ毛のように
いつまでもはかないわたしの少年

欲しいものすべて
手にあるものすべて
散乱するここで
わたしはこれ以上なんになろう?
どう生きようか

何度も同じことをいう
あなたがいてもいなくても
生きていけてしまう
人の強さよ

頭と胸を軽くして
すぐにでも飛び立ちたいからだを
いま
ハグしにきて

わたしは額にキスするわ



つばさ
2018/12/16





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