風にふかれては泣いた 朝目覚めては泣いた 雨が降っては泣いた 食事をしては泣いた だれかを愛しては泣いた 憎んでは泣いた 生きているだけで泣いた 死ぬことを思い泣いた 泣いているぶん愛していた 泣けば泣くほど愛しくて仕方がなくなっていった 痛めつけられ 苦しめられ 泣いていたのに 痛みも苦しみも大切だった だれかを憎むときですら 泣きながら愛を噛み締めていた 痛いほど わたしは 生きていることに許されていた 死すらわたしを受け入れ愛していた 泣きながら生きていた まるでなにもかもがかなしいかのように 生きていることのかなしさに わたしは胸をうたれつづけ 泣くことしかできない
untitled2018/11/07
← →
|