世界がゆっくり回転していく
先生は白衣をきて
幼いわたしは先生に肩をおさえられる
高い場所に
一人の保護者と
頭のおかしな子どもがいる
子どもには影がある
影は不気味な肉色をしていて
黄色や水色や橙……いろんな色を持っていて
黒い細いいびつな目をしていた
目があう瞬間
ほんものになる
そしてわたしは
追いかけられる
死の恐怖?
そんなような 違うような
不気味なものに対する
名前のない恐ろしさが

わたしたちは逃げまどう
先生は叫んだ
けれども彼らは追ってくる

あれはなんだったろう
あれはなんだったろう
しあわせな夢をみていた気がするが
しあわせな夢をみていたはずだったが
あれはなんだったろう
それはなんだったろう
なにもかもが夢だったか
ではなぜ感覚はこんなにも
しみついて剥がれぬ
いとおしさも
どうしてこんなに
くるおしいほどに?

ああ続きを
続きを
夢の続きを

あの場所は
おそろしく
きもちよい場所

どうして世界はかんたんに
こわれてしまうのですか?

すべてがシンプルで
易く
難解なものなど
届かぬものなど
なにもないはず……



2018/09/20





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