こういうときってなんで女というものに生まれたのだろうと私は常日頃思う。こういうときとは一か月に一度はくるあれのことです。

「name、どうだ調子は」
『むり。むりだわこれ動けないお腹も腰も頭も痛いしあああもおおおお』

 ソファに座るというよりほぼ横になったような体制で傍らに腰を下ろしたアーサーに己の現状を伝える。正しい文章にはなっていないがこの感覚は文章構成力が低下してもおかしくはないほどのものなのでそこは勘弁していただきたい。

「こういうときって腹と腰を温めるのと白湯を飲むといいんだよな」
『んー一応カイロ貼ってるし温かいものは飲んでるけど』

 ぐってりと身体を横にしたまま問いに答えるも妙な気だるさと眠気と下腹部にかかる重みもようなものがあるので正直口を開くことも億劫だ。だがしかしアーサーが傍にいることでnameの精神的なものが少なからず回復していることは違いないので口を開かないのもどうかと思ってしまう。

「……」
『ごめんねー折角の休みだったのに私のせいで予定つぶれちゃって』
「気にするな。無理されるより素直に言ってくれたほうがいい。それより、ちょっとこっち」
『なに?』

 身体を起こすことでさえ少々辛いのだがアーサーの言葉に半身を起こした。手招きをするその動きにしたがって近かった距離をさらに近づけると腰に手が回る。やや強い動きに驚くが気付いたら彼の胸板に頬をつけていた。瞬きを数回繰り返すnameにほんのり色づいた頬をかいてアーサーがそのままソファの上へ横になる。当然抱き寄せられたnameも同じく彼の身体の上に横になった。

『……え、どしたの』
「あ、温めれば多少楽になるんだろ。だから、その、人肌…」
『…っぷ、くっくっく…』

 ああ、かわいい。なんて愛しい。羞恥から色づいていた頬がさらに色味を増したのは私が笑ったせいだろう。腰に回された腕が腰をゆっくりと撫でる。

「そんな笑うことでもないだろうが…」
『ごめ、ふふっ、ごめんね。ただかわいいなと思って』
「おまえいつも俺にかわいいって言うけど嬉しくないんだからな!!あ、いや全然ってことはないが、って違う!かわいいじゃなくてかっこいいだろうが!」
『あっはっはっはっは』

 ついに声を大きくして笑ってしまった。少しは笑いをこらえようとするがそれもかなわず、アーサーの着ているTシャツに顔を埋める。呆れたような、諦めたようなため息を吐いてアーサーがnameの髪を梳く。

「このまま抱いててやるから、少し寝ろ」
『昼寝?』
「そう。んじゃおやすみ」

 ソファの背にたたんでおかれていたブランケットを重なり合った身体から足までかけると、片腕をソファと頭の間に、腰に回したもう片方の腕はそのままにしてアーサーは目を閉じた。そんなアーサーを見ていたnameも彼の胸に頬を当て、意識を落とす。温かな自分のものではない温度と耳に入る規則的なリズムが心地よい。






先日女の子の日になりましたそうせきです。いらん報告すみません。
いやほんと、つらいんです。あの頭と腹部と腰にくる鈍痛がほんとにつらくて。そんなときはいつもアーサーさんに慰めてもらう妄想してるんです。そのなかの一つを形にしたものがこれだよ。ちくしょうアーサーさんなんで現実にいないんだちくしょう(すみません)。




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