野良犬を拾ったときってこういう反応されるのかな。そんなことを私は思った。
 目の前にいるのはロップイヤ―そっくりの耳を生やした子どもなのだからうさぎを拾った、という方が正しいのかもしれない。だがしかし。警戒心むき出しの子どもは、先程まで身を預けていたベッドから飛び起きるいなや、身体にかけてあった毛布をそのままに部屋の隅へと張り付いてしまったのだ。小さく縮こまって身体を震わせ、金色の髪の間から深い緑の瞳を向けるその姿は子犬を連想させる。いや、野生のうさぎは一般的なイメージよりもかけ離れてたくましく、そして獰猛だというから正しいうさぎの反応なのかも。

「お、おまえ、誰だ」

お?以外とはっきりした声。っていうか喋れるんだね。適度な距離を保って近づいて視線を合わせるようにしゃがみ込む。

『おはようございます。私は道端で眠っていたあなたを拾いましたnameといいます』
「………name…」

ふおー名前呼んだ!呼んでもらえた!!かわいい!!!あ、いかんいかん。まだ怯えてるのにはしゃいじゃだめだよね。

「拾ったって、俺なんでここに、ここはどこなん」


ぐぅ〜


『お腹、すいてるよね。ご飯にしようか』
「……もらう」




一人暮らしの主人公がうさりすを拾う的な。
不思議現象が起こって成長したうさりすとうふふな展開とかも想像したりしてなかったり。とりあえずもふもふの耳にツッコミを入れるのを忘れました。




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