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サブウェイ来ました

何だかんだ言って、トウヤくんとは良いダブルを組めると思う。爽やかな笑顔の裏から腹黒さがチラリズムしているけれど、バトルのこととなると年齢の割りに落ち着いて、冷静に場を分析して指示を出すのだ。片手で足りるほどしか組んだことはない(私が逃げてトウコちゃんと組むことが殆どだった)が、私とポケモン達の様子を見て、瞬時に作戦を見抜いてサポートしてくれる。私がダブルよりシングル派で無ければ、そして何より、彼の性格がもう少しマイルドだったら、今よりもマルチトレインに挑戦する気が出る気がする。

「と、言うわけでお弁当を届けに来ました」
「なまえのお寝坊さん!」
「今日はトウコさまではないのですね」
「こんにちは、サブウェイマスター」

なんでトウコちゃんじゃないんだって、それは私のセリフだ。私たちに一瞥をくれると、2人は同時にボールを構える。流石双子。応えるように、腰に付けたボールを外す。

「行っておいで、ニョロトノ!」
「サザンドラ、たのむ!」
「え?」

いつの間にクロバットと入れ替えたの、と口に出す前に、目の前に現れた2体を見て納得した。

「一緒に住んでるのに、2人のパーティも忘れたんですか?」
「いやぁ面目ない……」

容赦ないツッコミに渇いた笑いを漏らす。
集中しろと言わんばかりの視線が突き刺さり、気を引き締めて目の前を見やった。
地下で、そしてトレインの中で雨が降る様子はいつ見ても不思議な光景だ。砂嵐や霰と違い、雨自体でダメージを与えることはないが、水タイプには強力なバトルフィールド。嬉しそうに青い触覚をぴょこぴょこ動かすニョロトノは、連戦にも関わらずこちらを見て力強く頷く。

「ニョロトノ、ドリュウズにハイドロポンプ!」
「サザンドラはシビルドンにりゅうせいぐん!」
「げっ」
「……やりますね」

示し合わせたわけではない即興のパーティで、私もトウヤくんも攻撃と特攻に特化したアタッカーばかり。クロバットが辛うじてサポート技を覚えているが、シビルドンに放電を使われると苦しい。トウヤくんはそれを見越して、さり気なく交代していたのだろう。
二体とも効果は等倍以上、彼らのドリュウズとシビルドンは、素早さに特化していない。まずは先手必勝、とボールへ戻っていく二体を見て、トウヤくんとハイタッチをした。



(150418)

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