▲▽ | ナノ
サブウェイ行きます

「こんにちは、なまえさん」
「うわっ」

くるりと軽やかに反転するも、がっしり掴まれた腕が逃げることを許さなかった。ぎぎぎ、とギアルのような効果音と共に恐る恐る振り返ると、眩しいばかりの笑顔とご対面。笑顔と掴む手の力がおかしい。痛い。

「やだなぁ、久しぶりに会ったのに『うわっ』って失礼だと思わない?」
「いやぁ、つい反射で……それじゃ!」
「話聞いてた?」

握る手に力を込められ、ヒィっと喉の奥から悲鳴が漏れる。笑顔が怖いよトウヤさん。

「どうせなまえさんのことだから、寝坊して2人のお弁当届けに来たんでしょ?」
「うわぁお見通し!」
「2人にいっぺんに会うならマルチしかないし」
「そうなの、だからトウコちゃんを…」
「あぁ、トウコなら今日はベルと出掛けてますよ」

天は我を見放せり!心の中で頭を抱え涙を流す。朝寝坊した自分をこれほど呪ったことはない。
シングルとダブル、それぞれ届けに行ってもいいのだが、如何せん行き着くまで長い。2人目に届ける頃には、お昼の時間はゆうに過ぎているだろう。
早くしろよと言う視線を感じながら考え、しかし彼の言う通りマルチに行くしか無いと言う結論に辿り着き、観念して手を挙げた。

「ニョロトノとキングドラいるってことは、雨パですか?」
「流石詳しいね……でも即興だし、トウヤくんに合わせるから手持ち変えてもいいよ」
「いや、クロバットとサザンドラ連れてきます」
「オッケー、先発クロバットとニョロトノで行こう」




(150418)

QLOOKアクセス解析
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -