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美味しいものは皆で食べる

「と言うわけで、今日はホドモエまで足を伸ばしてみました」
「なるほど、通りで普段とは違う食材が…」
「このフルーツおいしー!」
「あっクダリくんそれ少ないんだからね!」
「えーーノボリの分も食べていい?」
「嫌でございます」

色とりどりのフルーツを盛り付けた大きなガラス皿は、あっという間に空になってしまった。夕飯を食べたちょくごだと言うのに、すごい食欲である。いくら食べても細い2人が食べた物は、どこへ行っているのだろう。

「久しぶりに行ったけど、凄く賑わってたよ」
「ぼく知ってる!PWT開催するんでしょ!」
「観光事業も兼ねてるそうですから、これからもっと賑わうでしょうね」
「カントーやジョウトの皆も来るって言ってたから、楽しみだなぁ」

フォークに刺したままだったモモンの実を頬張り、故郷に思いを馳せる。最後に帰ったのはいつだろう。
お茶でも淹れようとフォークを置いて立ち上がると、何かに引かれて椅子に逆戻りしてしまった。はて。

「なまえはあげないからね!」
「なまえを連れ戻すのは、私達を倒してからにしていただきましょう」
「……お茶淹れたいんだけど」

カントー・ジョウト勢が連れ戻そうとするに違いない、と主張する2人を宥め再度立ち上がると、クダリくんに強烈なタックルをお見舞いされた。普通に痛い。
ぎゃいぎゃい喚くクダリくんをあやすのが面倒になった頃、クダリくんがべりっと剥がされた。差し出されたマグカップを受け取り、椅子へ戻る。

「ありがとうノボリくん」
「いいえ、砂糖は一つで良かったですか?」
「そうそう、さっすがー」
「なまえ!なまえ!ぼくのプリンあげる!」
「え、いいの?じゃあ半分こしよっか」

何だか上手く味覚調教されてる気もするけど、そうでなくても居心地の良いここから出るのは難しいだろうな、と思う。悔しいから2人には言わないけど。




(150404)

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