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今晩はシチューです

「今晩はシチューを作ろうと思います」
「やったー!!ぼく、なまえのシチュー大好き!」
「では、残業せぬよう、早く帰ってきます」

お弁当を手渡し、黒と白を見送ることから私の1日は始まる。2人がギアステーションへ行ったのを見届け、ぐーっと伸びをすると、頭に乗ったバチュルが真似をするように、もぞもぞと動く。足元ではエーフィが眠そうに船を漕ぎ、ブラッキーがそれを支えている。

「今日も1日がんばろー」

あまり気合の入っていない掛け声に、しかし愛するパートナー達は各々気合の篭った掛け声で応えてくれる。なんて良い子達。感動に涙が込み上げるのも、日常の一部と化していた。
エプロンの紐をしっかり結び直していると、ヌオーがてとてと近付いてきた。

「どしたのヌオー?」
「ヌ!」

手を上げて嬉しそうに目を細めるヌオーを撫でる。いつもはのんびり日向ぼっこをしているのに、今日は何やら張り切っている。調子が良さそうだ。すりすり身体を寄せ甘えてくるのが可愛くて、つい甘やかしてしまうのも仕方ないと、常々思う。

「洗濯機回して、掃除機かけてー…今日は天気も良いし、ホドモエまで買い出し行こうかなぁ」

ぼそりと呟いた瞬間、前後左右から強い衝撃が襲った。凄まじい勢いに受け身が取れず、情けない呻き声が漏れる。
何事かとちかちかする視界で下を見ると、ポケモン達がタックルをかまし、足に擦り寄っているではないか。さっきまで船を漕いでいたエーフィまで。久しぶりの遠出が嬉しいのだろう。
手加減を知らない彼らの愛情表現に、自分自身を鍛えねば…と遠い目をするしかなかった。




(150401)

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