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 拘りパーティ育成論

「エレキブル、かみなりパンチ!」
「なんの、カイリュー、げきりん!」

すさまじい衝突のあと見えたのは、げきりんを受けてひんし状態になったエレキブルとかみなりパンチを受けつつもどっしりと地に足を付けているカイリューだった。
くつくつと笑いながらエレキブルをボールにしまうデンジを見ながら、リオはふよふよと近づいてきたカイリューを抱きとめた。二人の横では呆れ顔のオーバが小さく拍手をしている。

「相変わらず強いな、リオ!」
「そりゃどーも」
「今日こそリオのカイリューが負けてるとこ見れると思ったんだけどなー」
「私とカイリューのコンビを負かすなんて100年早いわ」
「いや、デンジも彼女に負けっぱなしじゃ男の立場がないだろ」
「いいんだよ夜は俺が上だから」
「黙れむしり取るぞオーバのアフロを」
「何でオレなんだよ!」
「それなら許す!」
「お前も許すな!」

ぎゃいぎゃい騒ぐオーバをよそにデンジとリオは先ほどのバトルの分析を始めた。勝敗だけでなく、あそこはあの技がよかっただのお互いの長所短所を語るのが二人のバトルスタイルだった。先ほどまで熱いバトルを繰り広げていた二人の手持ちはいつの間にやらボールから出て、お互いにはしゃぎまわり、一人取り残されたオーバはリオのカイリューに慰められるのがここ、ナギサジムの隠れ名物となっていた。

「そういえばね、私もデンジやオーバみたいに拘りパーティを作ってみようかと思うの」
「へぇ、やっぱりドラゴンタイプか?」
「それも考えたんだけどね、シンオウのトレーナーらしく霰パでも作ろうかと」
「あーなんかリオっぽいな」
「あ、オーバ立ち直ったの」
「アフロむしるぞ」
「だから何でだよ!」
「とりあえずグレイシアとユキノオーは入れるとして、あとはどうしようかなーって」
「あれ、無視?」
「お前フリーザー持ってなかったっけ?」
「あーそっか、フリーザーならタワーにも連れてけるしいいかも。あられ打ってとんぼ返りかな」
「ユキメノコとかいいんじゃないか」
「あらオーバにしてはいいこと言うわね」
「伊達にアフロじゃないな」
「なんか疲れてきた」
「じゃあ、あとは受け要員にハピナスかな」
「鋼対策に炎がほしいとこだな」
「炎ならゴウカザルを推薦する!!!!」
「急に元気になったなオーバ」
「専門分野だからね。ゴウカザルねぇ…育ててみるのは面白そうだけど」
「とりあえずはグレイシアとか育てながら相性考えてパーティ構成するのが一番だな」
「そうね、ありがとうデンジ」

熱く炎タイプについて語るオーバを余所に甘い雰囲気を出し始めたデンジとリオ。何とも言えない光景だが、ナギサジムでは日常の一部。今日も平和だなあ、と幼馴染3人組を見て思うジムトレーナーたちだった。

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(120308)

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