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 と先輩

「財前くんて、面白いよね」

にこにこと笑いながら言う。何が楽しいのか、彼女はいつでも笑顔だった。飲んでいた紙パック飲料のストローをくわえたまま、目の前のアホ面に何と答えようか考えた。

「…先輩、アホちゃいます?」
「失礼な!」

数秒考えた後いつも通りの憎まれ口でそう返せば、心外だと表情と声音いっぱいに示しながら俺の飲んでいた紙パックを取り上げた。何すんねんと目で訴えると、「元はと言えば私のでしょー!」と騒ぎ出した。

「言われんでもこんな甘ったるいもん返しますわ」
「人のイチゴ牛乳勝手に飲んでおきながらなんてふてぶてしいの君は…!」
「どんなもんか気になってたんすわ。先輩がいつも飲んでたんで」
「えっなになに、私のこと気になってるの?」
「で、俺のどこが面白いんです?」
「あ、そうそう財前くんの面白いところはね」

あからさまに話題を変えたのに、怒った表情からすぐに笑顔を戻った。単純な人だ。何が楽しいのやらウキウキした様子で俺の面白いらしい点を話しているのだが、生憎俺自身の耳には入ってこなかった。くるくる変わる表情に魅せられて、次はどんな顔をするのかと期待する自分も相当アホやと思う。


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財前が好きすぎてついったが財前落ちてねーかなという呟きで埋まりました。
しかし結婚したいのは真田と言う矛盾

(20111115)

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