2014~ | ナノ


 ゆるり微睡む


※とてもぬるいけど若干えろい









「リオ、そろそろ起きよう」
「うーん……あと5分……」
「さっきからそう言ってもう2時間経つぞ」
「えー……」

そんなことないよ、と寝起きで呂律の回ってない声で返せば、呆れたように笑いながら頭を撫でられる。それが気持ち良くて余計に眠くなるから、起きれないのだ。
ゆるゆるとした微睡みに身を委ねそうになっていると、ふと頭を撫でる手が遠退いた。あれ、起きるのかななんてぼんやり考えていると、不意にワタルが身を起こし、本気で寝る3秒前な私に跨って来たではないか。

「重……、!?」

重いと抗議しようと上げた声は、しかし不意な刺激に言葉にならなかった。

「ちょっ……やぁ…っ」

緩急をつけて胸を揉み、その頂を交互に吸い、転がし、食まれる。突然の刺激に寝ぼけていた頭は完全に覚醒し、ワタルの行動に昨夜の行為が鮮明に思い出されて顔に熱が集まった。

「や、…んぅ」

胸に吸い付いていた顔を上げると、噛み付くようにキスをされる。寝起きでなくとも慣れない深いソレは、朝からするには刺激的過ぎた。眠気とは違うもので遠退きそうになる意識をなんとか保ち、言葉を発せない代わりに密着する大きな身体を叩く。

「おはようリオ」

寝起きでただでさえ高めの体温が、さらに上昇していてとても熱い。のそりと身体を起こし、腰の痛みに思わず顔を顰めた。

「朝から発情期とか勘弁して……」
「リオとなら何度したって足りないよ」
「ジュンサーさんこいつです」

にやりと妖しい笑みを浮かべる男に顔が引き攣る。朝から私ロクな顔してないな。はぁ、と溜息を一つ零せば、「幸せが逃げるぞ」なんてお決まりのお言葉を頂戴した。
背中から腕を回され抱きすくめられ、今更2人とも何も身に纏っていないことに気が付く。恥ずかしい気持ちはないではないが、お互いの体温が一つになっていく地肌同士の触れ合いはひどく安心するのだ。
どちらからともなく手を絡め、向かい合って笑い合う。大好き、愛しい、愛してる。言い古された言葉では足りないものを伝えたくて、握る手に、視線に、想いを籠めた。握り返される手で、見つめ返される目で、愛されてるなぁと、くすぐったくなる。

「大変ワタル、幸せが逃がしてくれない」
「そうだな、逃がす気なんてさらさらない」

私だって逃がさないんだから、と小さく零した宣戦布告は、包まれるような幸福感の中に溶けていった。






本番中より前後の情景が好きです

(140627)

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