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「誕生日をメールの一通でやり過ごそうなんざ、随分舐めてるじゃねーか。あーん?」
「だからってわざわざ自宅まで訪ねてくるのどうかと思うなぁ」

さして広くもない庶民の部屋で、その辺の雑貨屋で買った安いマグカップを持つ跡部は、何だかシュールだ。
我が家のように寛ぐ跡部に、さてどう対応しようかと思考を巡らす。

「家でも学校でもお祭り騒ぎでしょ。こんなとこいる暇ないんじゃない?」
「あぁ、朝から人に囲まれっぱなしだ。だが、そんなことはいつもと変わらない」
「さいですか…」

私にとっての非日常は、跡部の日常なのだ。時々、何でこんな仲良くしていられるのか不思議で堪らない。住む世界が違うのだと思うが、当の跡部が気にしてないのだから、なんとも言えない。
きっと彼が持っているどんな小物よりも安いマグカップで、その辺のスーパーで売ってる紅茶を、しかし跡部は一度もまずいだのと文句を言ったことはなかった。

「それで、プレゼントはあるんだろうな?」
「ベタかところで私がプレゼントー…なんちゃって嘘ですごめんなさい」

眉間に皺が寄ったのを見て、慌てて撤回する。




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オチが思いつかなかったと言うかベタ過ぎて没に


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