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「せんぱいせんぱいせんぱぁーい!!」
「水遁、」
「わぁぁ先輩それは勘弁っす!」

私はこの男が苦手だ。"無邪気なトビ"の裏にいる何かが見え隠れして、得体の知れないものを相手にしている気になるから。
それなのにこの男は私の何が気に入ったのか、毎日のように訪ねてきてはまとわりついて離れない。何なんだ一体。

「葵せんぱーい、溜め息ばっかりついちゃ幸せが逃げちゃいますよ?」
「…誰のせいだと思ってんの…」

変な仮面のせいで顔は見えないが、トビはいつも楽しそうだ。溜め息ばかりの私とは正反対である。もっとも、溜め息の原因はトビ本人なのだけど。
はぁ、と本日何度目になるかわからない息を吐くと、トビは可愛らしく小首を傾げて私の顔を覗き込んできた。この面の下はどんな顔なんだろう。ぼんやりと考える。そういえば、トビの年齢も出身も、私は何も聞いたことがない。

「…トビって、今何歳なの?」
「あれれ?僕のこと気になっちゃうんですかー?」
「いや、言いたくないなら別にいいや」

やんわりと断ると、トビは「えー」とつまらなさそうに不満の声を上げた。ゆっさゆっさと肩を揺するトビは、私がトビよりも背の低い女だと言うことをわかっていないのだろうか。いい加減イラついてきた頃、パッと私から半歩距離を取ると、気味の悪い含み笑いをこぼし始めた。なにこの人怖い。
トビとの距離を取ろうと後ずさると、間合いを詰めるように近寄ってくる。ジリジリと後退していくと、トン、と背中に壁を感じた。たらりと頬を落ちる汗を感じる私とは対照的に、トビは酷く楽しげな様子だった。

「後ろに壁だなんて、お約束ですねえ」

弾むような調子の声に、何故か恐怖を感じる。印を結ぶなり殴り飛ばすなりすればいいと、頭ではわかっているのに体が動かない。
固まる私を見下ろしながら、トビは私の耳元に顔を寄せてこう言った。

「いつか全ての真実を見せてやる」





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財前といいトビといい後輩だけど押せ押せなキャラ熱が来てます。トビでもマダラでもオビトでもいいからとりあえず愛でたい。


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