来年も、この先もずっと




ネタバレ注意


「……マーダラさん、」


ぽつり、と洞窟内に一つの声が響き渡る。それは余りにもこの洞窟内では不利釣り合いであるが当の本人は気にもとめるはずもない。


「………」


返事をしないマダラさんにむっと膨れる。嗚呼、この際マダラさんを刺してしまおうか


「……今、刺そうかと考えただろう」

「…い、いやいや滅相もない」


ぽつり、と声を漏らしたマダラさんはまるでエスパーのように私の考えを言い当てた。慌てて否定するがマダラさんは信じてはいなそうだ

「…それとマダラと呼ぶのはよせ、お前はトビで良い」

「…えええー!!」


世間を騒がすこの仮面マダラさんはあの初代火影と死闘を交わしたと言われているが実際この仮面マダラさんはあのマダラさんではない。その事実を知っているのは少ない人数だが暁内では私くらいだろうか

「……じゃあ、トビ君出して下さいよー」

「………」


私すらも騙されていたあの頃のトビ君と今のトビ君を比べれば明らか前のトビ君の方が楽しそうだと口にすれば何故かため息を吐かれ呆れられた。

「どうして、ためっ…むぐ!」


ため息を吐くのか、そう聞こうとすれば素早く口を手で抑えられ何も喋られなくなる。

「……煩いぞ、」

仮面から覗く写輪眼と輪廻眼はとてつもなく綺麗だ。暫く見惚れていれば知らず内に手を離されていてビチッ、と強くデコピンをされる。……強烈に痛い


「…痛い、もう誕生日おめでとうって言わないですよ!」

「……言わんで良い」

「ええええっ!!何で…!」

私から言って欲しくないの?と問えば"誕生日なんて祝っている暇があるなら戦争の準備でもしろ"と口にした。相変わらずマダラさんは冷たいや

「…けど、そんなマダラさんも好きですよ」

「………」

がばっと戸惑いなくマダラさんのその背に抱き付きながら言えば何も言わないマダラさん。それがまた心地よくて、だから私は彼の傍に居るのだ。

「…この戦争、勝てますかね」

「……どうだろうな」


マダラさんの背に抱き付きながらふ、と思う。この戦争で私たちが相手にするのは世界の忍達だ、とても一筋縄ではいかないだろう。

「…折角、誕生日なのに戦争の準備だなんて」

「…今更、誕生日など祝ってられるか」


残念、と口にして言えばまたしても呆れられながら言われた。

「けど、私ずっとマダラさんと居るんでまだまだ祝えますよー」

「……」

「……ずっと居ますから、ずっと。」

ぎゅーっと抱き締めれば"苦しい"と一言言いベシッと頭を叩かれた。本当は恥ずかしいからじゃないか、と口にしたかったが睨まれそれは心の中で呟いておいた。


年も、この先もずっと

end



* * * * * *

Sandersonia様に提出!

マダラさん誕生日おめでとうございます!




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