ひび割れた関係




ガンッ、と身体に大きな衝撃が伝わりギチギチと腕の骨が折れそうなくらい握り締められる、目を開けば見えたのは二つの赤い目。

「……っ」


痛い、身体が悲鳴をあげるが力は弱まることが無く逆に強くなっていた。歪んでゆく私の表情にサスケは満足したかのようににやりと笑った。


「…ど…して、こんな…!」
「どうして、だと?」

私たちの周りで倒れている死体は嘗て私の仲間だった人だ。サスケは突如現れ躊躇いもなく私の仲間を殺した。あっと言う間だった、サスケが仲間を殺すのは。


「……今更、何?」

私でも殺しに来た?そう問えば何が可笑しいのかくすくすと笑い出したサスケに恐怖を覚える。背筋が凍った瞬間だった


「…名前、共に来い」

「……は?」

サスケの言葉に私は言葉が出なかった。今更共に来いと?私をあの時連れて行ってはくれなかった、あなたが私に共に来いとは今更だとは思わなかったのだろうか?

「…近々戦争が始まる、」

「……う、そ…」

「本当だ、俺達は戦争を始まる」

サスケの言葉に嘘などなかった。戦争?そんな何故今になって戦争などと言う無駄な犠牲ばかり出す愚かなことをするんだろうか。

「…サスケ、やめて!」

「……」

「今からでも遅くない、」


だから、やめて。そう言えばサスケは冷たい目を私に向けたかと思えば次の瞬間、目の前にサスケがドアップで写り口の中にぬるりと何かが入り込む。

「………んっ!?」

サスケの舌だとわかるのにそんな時間は掛からなかった。慌てて離れようとするが既にサスケは私の頭と腰を己の腕で固定し動けない。

ぬるりとサスケの舌は私の舌に絡まり異様な感覚に襲われる。愛などないただの接吻に涙が出るのがわかった。


「……っん、はっ…!」

離れた口からは銀色の糸がぷつりと切れるのが見える。息切れに酸素を吸い込んでいるとぐっとサスケの指が私の口へと強引に入ってくる。

「……サッ…うぐっ…!」

名前を呼ぼうとするもそれは叶わず口の中にサスケの長い指が入り込み喋れない。

「…名前、いい顔だぜ」
「………っ!」

溢れ出る涙にサスケは満足そうにくすくすと笑い出した。どうして、サスケはこんな風に変わってしまったんだろうか?何がサスケを此処まで、変えた?


「……っ、う…」

暫くしすぼっとサスケの指は私の口から抜けていった。息苦しさに襲われながらもサスケを見れば指に付いた私の唾液を舐めるサスケに目が合う。


私はその光景に目を見開きかああ、と熱くかる身体。それを知ってか知らずかサスケはまたしても私に唇を寄せた。

ひび割れた関係

end

(20111110)




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