これは咎だと神様が言った






愛しているだなんてただの言葉でしかない事だなんてわかっていた事だと言うのに。あなたの言葉は全てが偽りだとどれだけ身に染みたことか。わかっていた筈だったのに、こんなにも私は彼に堕ちて溺れてしまっていただなんて馬鹿馬鹿しいと自らを嘲笑った。今彼が口にした言葉も偽りだと言うのにこんなにも胸が苦しいのは彼の傍に居たいから彼の傍にありたいと私が願うからなのか、そんな事例え私が願ったとしても叶わないと言うのに。「…すまない、」小さく彼は先程の言葉に対して謝った。謝らないで、お願い謝らないで、「……死ぬの?」キツく縛られた口から発した声は余りにも弱々しくて自分のものだとは信じたくなかった。けれど紛れもなく私の声であって今わたしは彼が居なくなるのがとても怖いんだと実感した。「…サスケの為なんだ」俯きながら小さくほんの小さく笑った彼の顔は余りにも痛々しかった。どうして彼が、彼が何をしたと言うのか、考えても考えてもわからずじまい。一言で片付けれるなら運命と言うのか。けれどその一言じゃ片付けられない事くらい私にもわかっていた。苦しい筈なんだ、なのに。「自分の心配くらいしたらどうなの!!?」私の声が室内で響く。それでも無言の彼に私は突っかかり彼の胸倉をぎゅっ、と握る。それでもやっぱり彼は困ったような顔をして無言だった。「無理に薬で自分を延命しながら…そこまでしなきゃならないの?重い病気なんでしょ?イタチ、あなたの任務は死ぬ事なの?」ねぇ、答えてよ!そう無言の彼に私は突っかかりながら私は。「すまない、」けれど彼は何も言ってはくれなかった。ただただ謝るばかりで私に何一つ言ってくれなかった。……ならなんで愛してる、だなんて言ったのよ、泣き崩れる私を宥めるように彼は私を抱き締める。「…置いてかないで、イタチっ…!」置いてかないでなんて彼にはただ重い荷物としかならない事だってわかっていたのに。「…俺の分まで生きてくれ」そう言って彼はまた一層私を抱き締めた。嗚呼、どうしてこんな思いをしなくちゃならないのか、私はただ彼の傍にこうしてずっと年をとってもこうして、居たかっただけだと言うのにそれすらも叶わないなんて。それ以上だなんて望んでなんか居ないのに。嗚呼、なんて残酷なの。



これは咎だと神様が言った

end




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