噛み締めた言葉
私は目の前で起こっている出来事に目を疑った。高らかに笑い声を上げたサスケは余程嬉しいのか普段は見せない笑みを浮かべていた。
そんなサスケに私はただ恐怖しか生まれなくて、何も口には出来なかった。高らかに笑うサスケをただただ見ていることしか出来ないのだ。
「…これで、木の葉を!」
"潰せられる"嗚呼、どんなに待った事かとサスケは嬉しそうに独り言を口にする。サスケは自分の兄であるイタチの目を移植したのだ、
開眼した万華鏡をありとあらゆる場所でめたらやったら使いまくった成れの果てが前までのサスケ、痛む目に霞む視界はとても戦場の地を踏むことは出来なかった。
だが、それでは駄目だとマダラがサスケに己の兄の目を移植しサスケは永遠の万華鏡を手に入れることになった。
「名前、」
「…サス、ケ」
直ぐには使えなかったその永遠の万華鏡も今、解禁された。愛も家族も仲間も友情も名誉も誇りも夢も繋がりも、全てを切り捨てたサスケはただ憎悪のみを残し今、自分を一族をこんな形へとしてしまった己の里を潰すだろう。
「…サスケ、まだ早いんじゃない?」
別に、里がどうなろうと知ったこったなかった。自分はあそこに何もないのだからどうでも良かったはずだったのに今、私はそれを拒んでいた。
潰したくはないと。ただそれだけだった。だが、今更そんなこと認められるはずもなく此処まで来てしまった今、私に後戻り出来る道なんてない。それは自身でも分かりきっていたことで、
「…俺は一秒でも早くあの里を潰したくて溜まらないんだ」
「……」
「分かっているだろ、」
「そう、だったね…」
だから、バレないようにと私は何時も通りにと口を開いた。そんなもの今のサスケが聞くわけもないことだって分かっていたのに少しでも、少しでもと期待していたのだ。
「…行くぞ、」
「……」
思わず、出そうになってしまう言葉を必死に呑み込む。こんなこと口に出せばただでは済まないことは分かりきっている、私も結局は自身が可愛いのだ。なんて汚いのか、と私は自身を嘲笑った。
噛み締めた言葉
end (20120311)
今のサスケはもう昔のサスケとはかなり違いますよね、復讐に一直線。昔も良いですが今の鬼畜サスケも良いです。
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