それは凄く小さくて、
私は両手一杯の人を護ろうって誓った。沢山の人達をどんな危険からも、護れる忍になろうと努力した願った思った。なのに今の私は何だと言うんだろうか?思わず自身を嘲笑った。
「…ごめんね、」
ぽつりと名前は呟いたように口を開いた。足元にはまだ幼い子供が横たわり、その周りには沢山の大人が無残に横たわり息は既に途絶えていた。だが、まだ幼い子供には辛うじて息が繋がっているようで、
「…や、めて…お姉ちゃ」
立ち上がる力すらも無い幼い子供は息を荒らしながらもゆっくりと言葉を繋げたが名前はそれに容赦なく刀を突き刺す。
ぐしゃり、と二度と聴きたくもないような音が辺りに響き渡る。それと同時に子供の伸ばしていたであろう腕は宙を舞い力なく地へと落ちる。嗚呼、なんて呆気ない終焉なのだろうか。
「……終わったか?」
「終わったよ、」
イタチの問い掛けにへらりと笑って名前は口を開いた。その表情はとても今には不釣り合いでイタチは顔を歪めた。それに気付いたようで名前は困ったように笑う。
「そんな顔しないでよ」
「…すまない」
名前も好きでやっている訳じゃない。その笑みとは裏腹に腕が震えていることにイタチは気づいている、だからこそイタチは顔を歪ませた。本当にこのまま名前の手を赤く染め上げてしまっても良いのかイタチにも分からなかった。
だが、分かっていることはこのままだと名前は確実に壊れてしまうことで。いや、もう壊れてしまっているのかもしれない。
「…私ね、沢山の人を護りたかったの」
途端名前はゆっくりと口を開いた。ずっとずっと夢だったの、なんて口にする名前は何故か笑っていた。それが逆にとても痛々しくてたまらなくなる
「…でも、無理みたい。ちっぽけな私は人一人すらも、護れなかったんだよ」
なんでだろう、吐き出された言葉はまるで涙のようで。悔しさが名前を渦巻いていた、どうして私には何も護れないのだろう。どうして――――
「イタチだけでも護れないんだろうね」
呟いた言葉は宙を舞い残酷にも地に落ちていった。
それは凄く小さくて
とてもとても儚い力です
end
最近、兄さん熱が異常にありましてですね。兄さんの活躍が私の周りで多いからでしょうね、兄さん格好いい。ですが私の書くお話ってネタが被り過ぎて短い挙げ句甘いのが無いんですよ、最近の悩みだったりします。
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