「―――――ッ!」

目の前の棒は勢い良く俺の額へと当たった。痛くないとあの人は言ったが結構痛く俺は自分の額に手を添えた。


深深と



「お、成功みたいッスね!」
「……え、」

あの人の声が聞こえた途端目の前からバタンと何かが倒れた音がし目をやる。すると目の前には自分が横たわっていた、

「……な、なな…!」

慌てて自分の身体へと目を写すとそこには制服の白ではなく一護やルキアが着ていた黒い死神服だ、腰には青い刀がある。本当に自分は死神だと実感する半面驚きに声が出ない。

「その姿、久しぶりに見ましたけど、やっぱり変わりませんね」

「……あんた、一体…」

何者なんだ、と口にすればへらりと笑って茶化すが茶化されていてはらちがあかない。

「…だから、!」
「詳しくはまだ言えないッス、…ですがあなたは死神だ。朽木さんと同じ、死神です」

「ルキアを知っているのか!?」


勿論ッスよ、とへらへらと笑いながら口にされすっと、棒を目の前まで持ってこられ後ずさるが次の瞬間、目の前にいた奴は何故か何時の間にか俺の背後に居た。

「――――な、!!」
「ささ、立ち話もなんですからお茶くらい飲んでって下さいよ」

「テッサイ、悠輝さんの身体を宜しくお願いしますー」と駄菓子屋に向かって言いながら俺の背を押す。そうか、この人が此処の店主か…と納得していると駄菓子屋の中から眼鏡を掛けおさげをした巨大な男が現れ俺の身体を簡単に持ち上げて店内に入って行ってしまった。

「…ちょ、俺の身体…」
「大丈夫ッスよ、あんな道端に身体を置いておく訳にもいかないでしょう?」

「……わかった、」

仕方なしに諦め店内へとゆっくり足を進める。詳しくは言えないと言っていたが何故、俺は死神なのか。そればかりが頭から離れない、まあ…当たり前なのだが。
















* * * *

「…それじゃ、また来ます」

あの後、死神の姿じゃ落ち着かず身体に戻ったが無理矢理お茶を飲まされ正直どうでも言いような話ばかりで何故自分が死神だとか、全く教えてはくれなかった。

「あ、悠輝さん」
「…?」

「あなたが死神ってこと朽木さんに私から言っときましょうか?」


そう言って何処からともなく出した扇子を持ちながら言う浦原さんに自分で言いますと口にするとそうッスか、と言われた。何だか簡単に引いてくれたので少しばかり拍子抜けするが、

「…じゃあ、」

浦原商店から歩き出す。一護やルキアは今どこに居るのだろうか、探るとどうやら学校では無く多分虚退治をやっているんだろう、が学校に変わった奴が居る。感覚が一護に似てるが似ていない、取りあえず急ぐ為足を進める。





「…な、なんだ…これ」

学校に到着したのは良いが何故か教室から見える一護の姿、飛び降りている。普通なら無事じゃすまないが何故か余裕の一護は猛スピードで走り去ってゆく。もう一度教室を見ると死神姿の一護いたがじゃああれは誰なのだろうか?

「…悠輝か!?」
「…一護、」

「お前大丈夫なのかよ!?」

俺に気付いた一護は教室の窓から飛び降りてすぐさま俺の肩を力強く掴み凄い形相で聞いてくる為正直恐怖だ。

「だ、大丈夫…それより、」

あれはどう言う事なんだ?と一護と違うが身体は一護だった奴の事を聞くと慌てて一護は走り出した。勿論、俺の腕も掴んで。

「…ちょ、一護!」
「…ルキアが言うには改造魂魄、って言うらしい」

「…改造、魂魄……」

一護が説明してくれたのはルキアから渡された"義魂丸"と言う肉体から魂を強制的に抜く丸薬らしくルキアが近くに居ない時虚と出会った場合にそれを使い死神化しろと言うことで一護が死神化してる間の身体は仮の魂が入るらしく今一護に入っているのがその"義魂丸"の仮の魂らしいが、今の一護の身体に入っている奴は危ない、普通にあの訳の分からないスピードで走るし何か問題を起こされても困る。それにルキアが言っていたらしい改造魂魄、

気になることは多いが取りあえず早くあの一護を探さなければならない。

end

(20110916)