「おめぇな、一体何考えてやがんだよ…!」

一護の声が周りに響くが今は休み時間で周りには人が居ない場所へ死神と居る。声なんて関係なくて尸魂界に帰っていたと思っていた筈なのにどうしてまた現れたのか、しかも周りに彼女の存在が見えるのか、謎が深まるばかりだ。



世界はを作る




「まあ、怖い。何ですのー?私何かされるのかしらー」
「先ずはその気色悪い話し方を何とかしろ!」

昨日とは全く違う話し方の彼女。異様な話し方で一護も気になったんだろう、凄い形相で言うが効果は無し。


「あら、一晩で習得したにしては上出来じゃなくて?」


「…もう話し方は良いから、尸魂界に帰ったんじゃなかったのか?」
「そ、そうだ!お前昨日帰ったんじゃないのかよ?」

そう聞くと彼女は表情を変えて話し出す。どうやら尸魂界に帰れるのは死神であって彼女の死神の力は昨夜一護に殆ど奪われてしまい尸魂界に帰る術がなくなり今は義骸と言う緊急用に用意されている肉体に入り力の回復を待っているらしい

「…あ、そういや昨日はありがとうな」
「…ああ、えー…と、」

「俺の名前は雪伊悠輝だ、よろしく」

一応手を差し出すと彼女も朽木ルキアだ、と名乗りぐっと俺の手を握った。自己紹介だなんて何年ぶりだろうか、ふと頭の中に思い浮かび考える。

「…それにしても悠輝は女のような顔立ちをしているな」

そう言ってぺたぺたと昨晩のように顔を触るルキアにへらりと笑いながら女だと伝えるとかなり吃驚される。

「じ、じゃあ何故これは違うのだ?」

「…訳ありだよ、それに一護家にも訳あって住ませて貰っている」

制服の違いに訳ありだと話す。そう言うと何故かルキアは一護を引っ張り俺と少し離れた場所でこそこそと話し出す。時々見せる一護のリアクションに吃驚するものの大体内容はわかる。

話がついたのかルキアと一護は戻ってきすっと口を開いた。

「ま、ともあれ貴様には今後私に力が戻るまで死神としての仕事を手伝って貰う」

「…………はい?」
「仕方ないだろ、一護」

一護が言いたいのもわかるが昨日死神の力を奪ってしまったのは他でもない一護で昨晩助けて貰ったのは他でもない俺達。

「当たり前だろう、今死神の力を持っているのは貴様なのだ。貴様には断るけ…」

「断る…!!」
「………」

案の定見事即答に断る一護、確かに昨日化け物が身内を襲っていたから一護は刀を振るったのだろう。…他人なら、

「…期待を裏切るようで悪いけどな、ほら、悠輝行くぞ」

「…な、おい!良いのかよ?」

良いんだよ、とそれだけ口にすると俺の手を無理矢理引き歩き出した一護。後ろではルキアが何かを言っているが詳しくは聞き取れないが次の瞬間ルキアが一護に声を掛け後ろに振り向く一護だが勢い良くルキアに顔を押された。

「―――――っ!!?」
「………な、!?」

殴られたように見えたが違うようで一護本体はバタンと地に倒れ黒い着物を着た一護が突っ立っていた。

「―なっ!!…お、俺の身体!!」
「……死神になったのか」

「ああ、そうだ!」

慌てる一護に何故か手に何かをはめ誇らしげなルキア。死神になった一護をまじまじと見るとやはり昨晩ルキアが着ていた黒い着物を身に付けているが違うのがルキアが身に付けていた刀とは違う巨大な刀。あれが一護のものなのか、

「…………っ、」

ぐらり、目の前が少し歪みあの時にあった頭痛が起こる。一体何が関係して頭痛が起こるのか、頭を片手で押さえながら一護とルキアに目をやる。どうやら何処かに向かうみたいだ。


一護に任せておけば良いだろうと教室に戻ろうとするがそうも簡単には行かなかった。ぐい、と首根っこを掴まれ掴んだ本人、一護に目をやる。

「何帰ろうとしてんだよ、」
「…いやー、一護に任せようと」

「馬鹿言うな、お前も付いて来い」

そう良いながら無理矢理引っ張ろうとする一護に仕方ないな、と呟きながら歩き出す。頭痛は強くなるばかりだった。


end