悪鬼邂逅 6

「……ク、まさか黒龍を手懐けた陰陽師とはな」
「よかった、もう大丈夫ですか?」
辛そうな表情はしているものの、男は話せるほどに回復したらしい。
「もしよろしかったら、私の力になってくれませんか?強制はしませんが……」
「お優しいことだ。まぁ、味方じゃないなら後で襲って喰っちまおうぜ、なぁ?」
「それがいいだろう」
「……黒龍には敵わない。仕方ない、力を貸してやる」
「ありがとうございます!では、名はなんと?」
「私の名前は、暁鬼(ギョウキ)」
鬼、暁鬼は、唐突に両手を伸ばすと、睡蓮を抱きしめる。
「興味深い女の子だ。主と呼ぶには幼すぎるが、悪くない」
「貴様っ!汚い手をどけろ!」
「気安く触れるなっ!」
黒耀と泡沫が喚く。
「ほぅ?随分この女の子を好いているのだな。面白い奴らだ。……睡蓮」
「はい?」
暁鬼は、睡蓮の額に口付ける。
「「!!!!!」」
「……よろしくな」
暁鬼は、極上の微笑で、そう告げた。
闇夜に妖かし2人の罵声と、それを諌める少女の声と、高らかに哂う妖かしの声が響いていた。

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