sweet 4

うつむいたままのケテル、レムオンはケテルの持っていたリンゴ飴を取り上げテーブルに置くと、その小さな身体を抱きしめた。
「言っただろう?もう、お前を離したくない。愛している、嘘は言わない。」
その言葉を聞き、ケテルはレムオンの胸に顔を埋める。
「拘束したくないから、信じてるっては言わない。だから、レムオンの言ってくれた言葉、大切にする。」
「素直に信じるとは、言ってくれないのか?俺は、信用がないか?」
「…レムオンは、人でないものを愛せる?人形に恋するような男を愚かだとは思わない?」
「…――さぁあな。だが、俺はケテル、お前自身を見ているつもりだ。お前が、俺自身を見ていてくれたように。俺が見守りたいのは、お前自身だ。」
包むように両手でケテルの顔をあげさせると、その薄紅色の唇に口づける。ほんのり感じた甘さは、リンゴ飴の名残りだろうか。
「…そろそろ部屋に戻るぞ。春とはいえ、日が沈めば冷え込むからな。」
「じゃあ、もっと身体を冷まそうかしら?温めてもらえるように。」
「一か月も離れていたのだ、別に冷めてなくてもそうするつもりだったが?」
変わらない不敵な頬笑み、ケテルはレムオンの顔を見上げる。


私の願いは、この刻(トキ)が続いてくれること。
レムオンと共に、移りゆく世界を歩いていきたい。
許される限り、貴方と共に。

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