puppeteer 3

「どうしたの、レムオン?」
「いや、俺とした事が、思うまま動かされているような気がしてな…。」
「?」
首を傾げるケテル。彼女は窮屈な恰好から解放されたと次から次に服を脱ぎ捨て、レムオンが居る事など気にも留めない様子で裸になっていく。パンツ一枚の姿でストレッチをしはじめる彼女、別に男として不能という訳ではないレムオンには刺激的な光景ではあるが、ここで手を出すのは“誰かさん”の思うつぼのようで気がのらない。
「まったく、見くびるなよ。ケテル、ストレッチならもっと身体を倒せ、こんな風にっ。」
足を開き身体を前に倒す彼女の背中を胸が床にピッタリ着くまで、思い切り押すレムオン。
「イタ!痛いっ!!」
「身体の硬い奴だ、怪我の元だぞ。」
「もう、無理っ!キャー。」
「夜中に喚くな。」
涙目でもがくケテルの様子を見て、レムオンは意地悪く微笑んだ。


翌朝。
「おはようございます、レムオン様。」
「おはよう。…お前、昨日妙な気の回し方をしたな?俺は潔癖なんだ、そんな簡単に罠にかかるような男では無いぞ?」
「おやおや、何の事でしょう?私には分かりかねますが。」
「白々しい。いつのまにか、ケテルの扱いに熟知したようだな?」
「ケテル様は素直ですからね、レムオン様と違って。主の事を理解するのは、執事として当然です。」
微笑むセバスチャン。彼は、右手を左胸につけ一礼する。
「おはよ〜、レムオン、セバスチャン。」
「おはようございます、ケテル様。」
「ケテルっ、下着姿でのこのこ出てくるなっ!」
「こちらにガウンを用意してありますよ。さあ、食事の用意ができておりますから、テーブルへ参りましょう。」
「うん。」
「…完全に把握されてるな。」
レムオンは、つぶやいた。屋敷の最高権力者は、今日も笑顔で主の世話にあたるのだった。

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