流星の降る場所 2

「なぁに、レムオンってば平和ボケ?こんな簡単に、背後とられちゃっていいの?」
くすくすと、懐かしい笑い声が耳元に降りかかる。もう二度と聞く事など無いと思っていたあの声が…――。
「リムローズ…。」
「あ、良かった〜、名前忘れられちゃったらシャレになんないし。でも、も少し派手なリアクションしてよ?もっと驚くと思ったのに――!」
引き寄せた身体を抱きしめた。探していた姿と少し違うのは、月日のせいか。言いたい言葉は沢山あるはずなのに、どれも声にならない。ただ、紡がれた言葉はひとつ。
「よく戻った、おかえり。」
「…――うん、ただいまレムオン。」
伝わる温もりが、彼女の存在が嘘でないと告げている。
「さあ、レムオン様。夕食の準備も出来ています、積もる話もおありでしょうし、中に参りましょう。」
「そうだよ、兄さん。早く誕生パーティを始めようよ。」
「ああ。」
抱きしめる腕を緩めると、大人びた彼女は、頷いた。
「うふふ、さっき流れ星にレムオンが私を忘れてませんようにって祈ったのよ。」
「心配しなくても、俺はそんなに頭が悪くはない。」
「そうゆうとこ、変わってないね。」
「お前は、変わったのか?」
問いかけに、リムローズは昔と同じ笑みを浮かべ答えた。

「好きよ、レムオン。」
「質問と答えがあってない。」

昔、繰り返し聞いていた言葉。彼女の事を諦めていた自分が、馬鹿馬鹿しい。
星降る夜、落ちた星は、再び傍らで輝いた。

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