Pause 2

「おはよう、シグ」
日曜日、彼の前に現れたメアは、Tシャツにジーンズと驚くほどカジュアルな格好で現れた。
「驚いた?」
「ああ。でも、似合うとるよ。それより、いつものウサギはどうしたん?」
「置いてきたんだよ。シュワルツが一緒だと、うるさいからね。じゃ、行こうよ、シグ」
嬉しそうにヘイムダル=シーグフリートの腕をとり、見送るロキに手を振ると、メアは彼を引きずるように歩き出す。いつもより少し視線が高いのは、サンダルのヒールのせいだろう。
目的のジェラートの店に着くと、メアは散々迷った挙句、結局2つも購入する。
「ねぇねぇ、シグのも一口頂戴♪」
「ええけど、食いすぎちゃうか?」
「いいの、いいの。ん〜、やっぱりこっちも美味しいなぁ」
ムグムグとスプーンをほうばるメア。
仕事で出会っていなければ、とても彼女が何処か組織の人間で、自分と同じような血腥い仕事をしているとは思えないのだが。
映画を見たり、買い物したり、夕食を済ませゲームセンターにたどり着いた2人は、シューティングゲームに興じる。
当然のごとく、サクサクと高得点をたたき出す2人。
「あははは、おもしろーい♪」
「これだと、あっという間にボス戦やなぁ……な、メアちゃんのボスってどんな人?」
「ん?ん〜…とりあえず、アレじゃないよ」
ゲーム画面を指差し、メアは答える。

「…今日はありがとう。楽しかったよ」
彼女の送り先は、名の知れた一流ホテルの前だった。
「どういたしまして。俺も楽しかったわぁ、あんまり、こんな風に遊び倒すことってないからなぁ。」
「そうだね、シグも忙しそうだもんね」
「次に逢うのは、また戦場かどっかの施設になるんかな?とりあえず、敵として現れるのだけは勘弁してな?」
「……あのね、私は命令だったら相手が誰でも引き金を引くよ。でも、シグなら、大丈夫だよね?」
「俺なら、メアちゃんが敵やったら見逃す思う?」
「違うよ、私よりシグのが強いでしょ?だから、私が全力で戦っても、シグは死なないから大丈夫だよね?」
「そんなんなったら、こっちの寝覚めが悪くてかなわんわ」
くしゃくしゃとメアの頭を撫でると、彼女は嬉しそうに笑い、それからいつもの無邪気な笑顔で手を振ると、エレベーターの中に消えて入った。

それは、血濡れた日常のつかの間の小休止。

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