Pause 1

「なんか、冷たいものが食べたいなぁ。暑くて溶けそうだよ」
「せやな、暑くてかなわんわ」
座り込んだメアは、額の汗をぬぐう。
同じように目の前に座るヘイムダルも、パタパタと手で顔をあおいだ。
「あのね、最近美味しいジェラートのお店ができたんだよ。知ってる?」
「ライブハウスの傍?」
「それそれ!」
「せやったら、今度一緒にいこか?メアちゃんさえよかったら、やけど」
「本当?!うん、だったら今度の日曜は?」
「ええよ。」
楽しそうに会話を続けようとした2人だったが……。
「……貴方達、死体の上に座り込んで、デートの約束してる場合じゃないですよ?」
「取るもん取ったらサッサと出るぞ、治安維持部隊が来ちまうだろうがっ!」
「は〜い」
「へいへい」
ロキとシュワルツに叱咤され、2人は重い腰をあげる。
セキュルティを無力化するため電源が切られた施設内は、うんざりするほど蒸し暑く、戦闘までこなすとなると、もう汗だくと言っていい。
それぞれヘイムダルは所長の命をメアは兵器関連の資料を手に入れた今、任務は終了、速やかに帰還するのが望ましい。
施設外に出ると、メアには迎えの車が待ち受けていた。
「じゃあ、日曜にな、メアちゃん」
「分かった。あ、ちょっと待って!」
ポーチからハンカチを取り出したメアは、少し背伸びするとヘイムダルの顔の返り血を拭う。
「綺麗になったよ、じゃあね〜」
ヒラヒラと手を振り車に乗り込む彼女を見送り、彼らも指定の合流地点へと急いだ。
「メアちゃん、なんかまた出世したんかなぁ?」
「そろそろ、何処の子か聞いておいたほうがいいんじゃないですか?」
「ん〜、せやなぁ。考えとくわ」


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