Merry Christmas to Devils 2

ヴィルフリートが総統になって以来、何度かクリスマスパーティを開こうという話になった。最初はアンネリーゼの部下が普通に主催し…事故死した。その後数度、幹部候補生からくじ引きをして幹事を決めたが、誰もが“戦死”。ついでに、くじ引きで幹事を決めていたと知ったヴィルフリートは大層機嫌を悪くし…将軍全員を呼びつけ、「くじ引きで当選した奴を試験段階の電磁剣の試し斬り素材にする。」といい、当選した月読(ツクヨミ)を心停止に追い込んだ経歴がある。そして前回、月読とmoonlightことセドリックの部下が共同で主催したパーティは…前半は良かったが、後半、成人男性なら喜ぶだろうと女性をあてがったのが災いし、彼らはその後“失踪”することとなった。要は、大抵幹事をしたものは、ヴィルフリートの不興を買い、処分されているのが実状だ。
『ねぇ、時間の無駄だわ。ここはNo.2なんだし、full moon、あんたが責任取りなさいよ。』
「僕?!勘弁してくれ。」
「そうだな、愛しい総統閣下の喜ぶ顔が見れる好機だ。皆も異論はないな?」
「new moon!勝手にまとめようとするなっ!」
『トーゼン!やった♪ほら、セドっ、ゲームの続きでもやろうぜ。』
『お任せします、full moon将軍。』
『アチキだって、恋路の邪魔するほど野暮じゃないからねぇ。良かったじゃない?男を上げなさいな。』
『無意味な時間だったな。あとは任せるぞ。』
これ幸いと、通信を切るアンネリーゼ、月読、セドリック、殺愛(アヤメ)、ダニエラの5人。
「結論出たし、お開きだな。頑張ってくださいFull Moon将軍。」
「僕じゃ役者不足ですから、Full Moon将軍がなさるのが、総統閣下も1番喜びますよ。それじゃ、失礼します。」
セレスティノがにこやかに一礼し、それに続くように雅斗(マサト)もそそくさとモニタールームを後にする。最後に残ったのは、アロイスとオーレリアンの二人だけ…。
「lunar halo、first quarte!……僕をハメたな?」
「睨まなくてもいいでしょう?実際、ヴィルフリート様の好みなら、1番よく理解してるだろ?」
「ああ、知ってるさ。気まぐれで、その時々で愉しいと思うことに差があることまでね。だいたい、アロイス、ヴィルがそんなに甘くないの知ってるだろ?今度失敗したら、さすがに身の危険を感じるんだけど。」
「だから、頼む。お前しか、“切り札”を持ってない。」
「……切り札、ね。」



「ねぇねぇ、レイリック。」
「あれ、メアじゃん。なに?」
「クリスマスパーティ開きたいんだけど、クリスマスって言ったら、“キャンドル”と“十字架”を用意するんだよね?」
久しぶりにBlueKidsに現れたメア、何を思ったか、レイリックを引き止めメモを取り出す。
「普通は、そんなもんじゃないか?」
「ほら、シュワルツ!やっぱり2つ揃えなきゃいけないんだよ、クリスマスなんだから。他にいるものあるかなぁ?」
「ん〜、サンタが用意するプレゼントだな。」
「サンタ?」
「赤い服来て、ヒゲ生やしたおじいさん。寝てる間に、皆の欲しがるプレゼントを用意するんだ。なに?知らないの?」
「あ、最近街でよく見るアレね。でも、私はおじいさんじゃないからなぁ…。」
「女の子用の、赤いサンタ服でも着ればいいじゃん。」
「そっか、ありがと。参考にするよ。行こ、シュワルツ。」
「わかった。ハァ…ちっ、余計な知恵つけさせて。どうなっても知らねーぞ、くそ。」
「???」
何故か、訳もわからずシュワルツに睨まれるレイリック。慌ただしく店を出て行ったメアは、とりあえずキャンドルを探すことにした。
「フルールが言ってたよね、やっぱり大切な人のためなら手作りがいいって。」
「まぁ…言ってたな。」
「フルールもね、大切な人のために、プレゼントを考えてるんだって。私も、あの方のために頑張らなきゃ。まずは、可愛いキャンドルを用意しなきゃ。材料集めたいんだけど…う〜ん。」
考え込むメア。しばらくして、ニッと笑うとシュワルツに尋ねる。
「近いとこいくなら、帽子屋さんに相談すればいいと思う。」
「おまっ、正気か?!この前殺られかけただろっ!自分の首、狙ってる奴だぜ?」
「うん、でもキャンドルの材料のこと聞くには適任だと思う。どこに行けば逢えるかなぁ?シュワルツ、教えて。」
ニッコリと微笑むメア、シュワルツは顔をしかめながらしぶしぶ情報を集める。
「これだから、“キャンドル”なんていらないって言ったんだ。ちっ!」


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