Intersection 11

「ジャスティー、リリィ、なんか俺たちヤバクないか?!」
「そう思うなら、攻撃に集中してください!」
「…次が来る、避けて!」
フルールから警護して欲しいという要人の話を聞き、依頼人が待っている屋敷に来たまではよかった。人の自由な出入りを拒絶するような門があったが、中から武器を携帯した数人の男が走り出てきたためそのまま中に入ったレイリック・ジャスティ・リリィの3人を待っていたのは、依頼人ではなく人だと認識すると、無差別に攻撃してくるガードマシナリーだった。
「どうなってるんだ?」
「知りませんよ。」
「まだ契約だって済ませてないのに、コレ、仕事料出るのかな?」
「レイリック、今そんな心配してる場合じゃ…?!」

「邪魔なんだよっっ!!」

煌めいた刃の切っ先が、ガードマシナリーの一団を次々なぎ倒す。最後の一体が、ガシャリと音を立て停止したのを確認すると、その大鎌を肩にかけこちらに振り向いた。
「…なにやってんだ、お前ら?」
『レイヴン。』
3人の声がハモる。
「なんでこんなとこに居るんだよ?」
「ハァ?それはこっちが聞きたいっての。俺は、ここが仕事の場所だったから付いてきただけだぜ?」
「じゃあ、僕達は、レイヴンさんたちから依頼人を守れってことだったんですか?」
「…あの、メアとか言う子は?」

「レイヴン。」

4人が振り返る。屋敷の方から、メアが歩いてきた。元から白い顔色は、更に蒼白に変わっていた。パタリ・パタリと額から血が滴り落ちている。
「何やってんだ、お前っ?!」
「だから、接近戦は苦手だって言ったじゃない。…ちょっと、怪我しただけだよ。」
「ちょっとには見えねーけどな。」
言いながら、レイヴンはメアとレイリック・ジャスティー・リリィの3人の間に立つ。
「…レイヴン、前どいてよ?撃てない。」
「もう仕事は終わったんだろ?」
「フフ、守備なんてしないって言ってたのに、やっぱり、ガーディアンなんだね。…言ってみただけだよ。別に殲滅しろなんて言われてないもの。…言われてたって、こんなじゃ出来ないし。」
少しふらつく足取りでレイヴンに近づいたメアは、下げていたポーチから電子マネーのカードを取り出した。
「手伝ってくれて、ありがとう。満額入ってるから…少ない、かな?」
心配そうに見上げる。
「そんなことない。」
「よかったぁ。…また、お願いね?次は…もっとスマートな作戦立てるから、さ。」
ニコリとメアは微笑んだ。血濡れた蒼白の顔には似合わない笑顔を見せると、フラフラまた歩き出す。
「…おい、ちびっ子、大丈夫かよ?」
「メアだよ。」
「すぐ手当てしないと。」
「そうですよ、そこに座って。リリィに任せれば、ちゃんと診てもらえますから。」
「…変な人達だね。汚染派なのに、助けてくれるの?」
「そんなの関係ない!目の前で、死にそうな人間がいるのに、放っておくことなんて出来ない。」
普段口数の少ないリリィが、はっきりと告げる。キョトンとした顔で3人を見つめてから、また屈託の無い笑顔を見せてメアが言った。
「アリガト、なんだか嬉しいよ。でも、早く行かなきゃ、メンドクサイのが来ちゃうんだ。皆も、早く消えないと、事情聴取ってやつ受けなきゃいけなくなっちゃうよ。」
「でもっ!」

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