Intersection 6

レイブンが予定の時刻にシャトルの駅に着くと、いつものように目立つ格好で黒ウサギを抱えたメアが立っている。随分距離があったが、どうやらこちらに気づいたようで、ヒラヒラ手を振っていた。彼女の後ろには、黒ずくめで“いかにも”といった格好の男が2人立っている。
「こっちだよ。うん、服も似合ってるし、いい感じだね。」
「こんなの動きにくいだけじゃねーか。」
フォーマルスーツに大鎌の武器はどう見ても不釣合いだったが、、メアは気にせず話を続ける。
「まぁ、形は整えなきゃってやつだよ。向こう着いたら、彼に武器を持ってもらって。レイヴンが要人で、彼がその護衛ってやつね。大丈夫、ずっと後ろにいてもらうから盗んだりしないよ。」
どこから見ても男達はメアより年上だったが、立場はメアが上だった。指を刺された方の男は、軽く一礼するように頷いた。シャトルに乗れば2時間程度ののアチリカ。VIP席に乗り込みしばらくすると、シャトルが滑らかに動き出す。
「ねぇ、レイヴン。」
「…んだよ?」
「どうやったら、レイヴンみたいに強くなれるかな?」
「はぁ?」
「私、早く強くなりたいんだよ。誰にも負けないくらい強くなりたいの。」
「んなの知るか。はっ倒してりゃ、強くなれるんじゃねーの?」
「そっか。うん、そうだよね。ありがと、レイヴン。参考にする。」
「……。」
ニコニコと、メアは微笑む。外に出て、レイヴンは初めて会った組織以外の汚染派側の人間だった。しかも、クセがあるといわれるものの、すこぶる“評判がいい”傭兵。メアは、一緒に仕事ができることが、楽しみで仕方がなかったので、嫌な顔をされてようが無視されようが、話しかる。
「ねぇ、レイブンは、どこかの専属になったりしないの?」
「…メンドクセー。」
「うち、いいよ?おいでよ、楽しいよ?悪いようには、ならないよ?」
「興味ねー。」
「資金力もサポート力も、バッチリなんだから。」
「……。」
「今なら契約金の他に、支度金だって出せるよ?」
「……。」
「注目株だよ?買わなきゃ損だよ?」
「お前、どこの押し売りだよ?」
「…もうすぐ着きそうだねぇ。」
「ちっ。」


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