Intersection 4

「大丈夫なのか?レイヴンは。」
ノーヴィスの問いかけ。あの後、結局レイヴンは仕事を引き受け、Blue Kidsを出て行った。こんな時代だ、傭兵に仕事を依頼してくるスポンサーは、山ほどいる。、引き受けることを渋る相手に、金額やバックアップの保証を約束し交渉するのは常だが、『楽しいよ』などと、まるでレクレーションにでも行くかのような答えを返されるとは、さすがにレイヴンも想定してなかったようで。一瞬、呆気にとられるような顔をしていたが、ニヤリと笑うと快く引き受けた。
「ん?あぁ、メアちゃんの仕事を受けたこと?多分、大丈夫だろ。今度の浄化の仕事は3日はかかるし、その間、傭兵を使い捨てにするような連中と組んで仕事されるよりは、まだ安心出来る。」
「オヴニルのおっさん、あのメアとかいうちびっ子のこと、詳しく知ってんの?」
「残念ながら、まだそこまで親しくないんだよな。ま、カワイコちゃんの情報なら沢山あるにこしたことはないが、知らなくていいことを知ろうとしつこくすると、嫌われちゃうしねぇ?ついでに、レイリックその“おっさん”て呼び方、なんとかしろ。」
「…汚染派、なんですよね?どうしてあんな女の子が…。それに、楽しいとか…ワケがわからない。」
「ジャスティー、俺達は傭兵だ。細かいとこまで気にすんなって。お前や浄化に熱心な皆には理解し難いだろうが、人それぞれ事情ってもんがある。いがみ合ってもしょうがないさ、現に、俺なんかも汚染派の仕事を受けることだってあるんだ。それでも、こうやって皆と楽しくやってるだろ?」
ウインクして笑って見せるオヴニルに、複雑な表情のジャスティー。それでも、やがて話題は別のものに変わる。
オヴニルは、テーブルに残っていたダーツを手に取りくるくる回す。
「でもたしかに、ちょっと危険物かもな。ほいっ!と。」
チラリ振り返り、肩越しにダーツの的を見やる。見て投げたわけでもないのに、中心に突き刺さったダーツ。その小さな的には、“3本”の矢が打ち込まれていた。



「おい、ナンなんだこれ?」
「お仕事には、ちょっとスーツ着て行ってもらわなきゃなんないの。だからじっとしてて、合わせてるんだから。これがいいかなぁ〜♪」
「めんどくせ〜。」
「どうして?買い物楽しいよ。あ、これなんてどうカナ?」
あからさまにめんどくさそうなレイヴンを引き連れ、メアは洋服店に来ていた。レイブンから見れば、どれも同じでどうでもいいような感じのスーツなのだが、メアはとり替えひっ変えしている。
「仕事が終わったら、そのまま服はあげるから。え〜と…うん、これでよし♪」
「…馬子にも衣装って言うけど、全然雰囲気違う。」
そうつぶやいたのは、彼に同行している妖精のレプラだった。
「うっせえ。」
睨みつけたレイブンの元に、支払いを済ませたメアが走ってくる。どう考えても、さっき選んでいた服だけとは思えない紙袋の数だ。
「欲しい物も全部買ったし、次はご飯でも食べながら“本題”にしよう?」


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