Intersection 3

「やめておけ。そんなことを聞いても、どうなるものでもない。」
それまで物静かだったノーヴィスが、穏やかに、それでいてたしなめるように口を開いた。
「仕事の依頼に来たのか?」
「うん。ノーヴィスも、お仕事を選ばない?」
「条件次第だ。」
「そっか。じゃァ…って、オヴニルとお仕事なんだよね?」
「そうだ。」
「残念。あ〜、暇だよ。早く来ないかなぁ。早く買い物に行きたいよ。」
「仕事が先だろうが。」
「今回は、買い物も仕事だよ?ん〜、暇。あれ?ダーツがあるね。」
「ダーツやれんの?遊びたいなら、俺が遊んでやってもいいぜー。 」
「ホント?私、あれならやったことあるから出来ると思う。真ん中の赤いトコ狙えばいいんでしょ?」
「そうそう。あ、ジャスティーもやろうぜ。」
「なんで俺まで?」
「スナイパーだろ。メアに、腕前見せてやればいいじゃん。お子様に強いとこ見せて、悪いことすんなって教えてやればいいだろ?」
レイリックの提案で、なかば強引に矢を持たされたジャスティーも、しぶしぶダーツの前に立つ。
「じゃ、俺から〜。それっ!」
レイリックの投げた矢は、中心とはいかなかったものの、それなりに近い位置に突き刺さる。
「ま、ざっとこんなもんだぜ。」
「わあ、上手だね。次、ジャスティね。」
「しょうがないな。」
しぶりながらも標的の前に立つ。スッと綺麗なフォームで投げられた矢は、放物線を描き的の中心を確実に捉えた。
「すごい、真ん中!」
パチパチ、手をたたきながらはしゃぐメア。すると、聞き覚えのある声が上から降ってくる。
「なんか盛り上がってると思ったら、意外な取り合わせだな。久しぶり、メアちゃん。」
「あ、オヴニル。待ってたんだよ。ここなら会えるかなって思って。」
「なに?俺に用だった?」
「でも、もう別件でお仕事するんだってルリに教えてもらったから、レイヴンに頼もうと思って。」
人懐こいオヴニルの笑顔の後ろに、変わらぬ仏頂面があるのを見て取ったメアは、持っていたダーツを投げ捨て、早速ニコニコとレイヴンに近づいた。
「暇?」
「…特に依頼は受けてねーけど?」
「じゃあ、OKね。」
「はぁ?!わけわかんねー、なんも言ってないのに勝手に決めんな!」
「楽しいよ?一緒に行こう??」
フリルが施された袖から、白磁のごとく白い手が、招くように差し出される。


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