Intersection 1

喧騒と酒の匂いと、人の熱気に包まれた酒場『Blue Kids』。首都にあり、陽気さと剣呑な雰囲気と、洒落た音楽が似合う場所。戦いに身を置くものが多く集まるこの場所は、つかの間の休息地。


「なぁ、頼むから俺を鍛えてくれっ!」
「……。」
「あ〜、ほら、おんなじバーサーカー同士さ、手合わせしてくれたら、こう一気にLVアップって感じでさぁ。」
「……。」
「なんなら夕飯おごるからっ!頼むよ、ノーヴィスのおっさん。」
「レイリック、ノーヴィスさんが困ってるよ。食事中くらい待ってあげろよ。」
「それなら、リリィが手合わせしてやってもいいんじゃないか?同じ接近戦タイプだろ?」
「俺?!」
「ジャスティ、リリイはどっちかってーとライバルだから、頼むならおっさんしかいないって。」
「あら?ティミーさんのところに、見かけない子が来てますね。」
ルリの言葉にカウンターに目を向けたレイリック・リリィ・ジャスティの3人。たしかに、見慣れない格好の少女がティミーと話し込んでいた。目深に黒いマントをかぶりやたらヒラヒラした服を着て、腕に黒いウサギを抱いている。ぬいぐるみかと思ったが、時折ピクピク耳を動かしているし可愛いとは言えない紫色の瞳が、店内を睨むようにキョロキョロ動いている。
「あれ?こっちに来る??」
一同が見守る中、少女は彼らを前にして口を開く。
「ねぇ、オヴニルかレイブンに会いたいんだけど、知らない?」
「なんだよ、怪しい奴だな。せめて顔くらい見せるもんじゃねーの?」
「だって、シュワルツ。どうしよっか?ここって絶対中立って決まりがあるんでしょ、別にいいよね?」
「しょうがねぇな、くだらないことまで喋るなよ?」
「分かってるよ。」
少女と黒ウサギは、ボソボソなにやら相談する、それからおもむろにマントのフードを取った。
「初めまして。」
そう言うと、律儀にペコリと頭を下げる。
「私はメア。それで、こっちがシュワルツ。オヴニルとレイブンの仲間の人だよね?」
答えを求めて、メアは順にテーブルの5人に目をやった。
「初めまして、私はルリです。」
「ん?俺はレイリック。」
「…ジャスティです。」
「……。」
「?」
「……。」
「??」
「あ〜、代わって紹介すっと、ノーヴィスのおっさんと、こっちがリリィ。」
一人はさほど興味を持っていないようで軽く会釈しただけで食事を続けているし、もう一人は、何故か顔をそらして下を向いてしまった。


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