ある日、べポが聞いた。
「ねえ?名前は、どんな人が好きなの?」
「え?急だね、べポ」
「だって名前、結婚したいって言うのに恋人は作らないから。おれ、名前の好みにあう熊探してきてあげるよ」
「人がいいなあ。…好みのタイプかあ。そうだね、浮気しないで、わたしを一途に愛してくれる人なら、ルックスとか地位とか、気にしないかなあ」
その日から、キャプテンはバッサリと女遊びをやめた。
――さて、なんでキャプテンが女遊びをやめたのか、なんて。
そんなこと言わないでもわかるだろう?
名前は「浮気をしない一途な人」が好き。
キャプテンは「浮気をしない一途な人が好きな名前」が好き。
まあ、つまり、キャプテンは名前の好きなタイプの人になろうとしてるってことさ。
「なあ、べポ」
「なあに?」
「名前の好みに合う熊は見つかったか?」
「ううん。探したんだけど、キャプテンに探さなくていいって言われちゃった」
「へえ…」
あーあー、キャプテン。べた惚れじゃないですか。
確かに名前は可愛いですけどね。
俺たちの船の中で、たった一人の女で、戦闘はあんまり得意じゃないみたいだけどそれなりに強くて。顔もかわいらしくて。スタイルは抜群っていうわけじゃあないけど、出るとこは出てる。料理もうまくて、特技は裁縫。
俺たち海賊には似合わない家庭的な女の子ってやつだ。
…もちろん、名前のことを狙ってるやつもいた。すごくいた。めっちゃいた。
だけどね、みんな一瞬で諦めたんだ。なぜだかわかるか?
キャプテンが、名前のことを好きになったからだよ。
あのキャプテンがだぞ?トラファルガー・ローがだぞ?
自分の船に乗る、強くもない普通の女に片思いしだしたんだぜ?
「なあ、べポ」
「今度はなあに?」
「キャプテンってさ、名前のどこに惚れたんだと思う?」
「優しいところじゃない?」
そうだ、名前は優しい。
「可愛いし」
名前は、かわいい。
「癒されるし」
名前を見てると、癒される。
「それに…」
…うん、そうなんだよな。
名前は、いいやつだ。すごく。
どこが素敵かなんて、どこに惚れたかなんて。そんなの、聞いたってきっとわからない。
きっとキャプテンも…ここが好き、なんてないんだろう。
「キャプテンと名前、早くくっつけばいいのにな」
「うん。それか、おれが探してきた熊」
「せめて人にしてやろうぜ」
キャプテンが名前を町に誘ってるのが見える。
――ああ、今日もいい天気だなあ。
意味不明すぎる
ローが好きな人のために女遊びやめるよっていうのを書きたかっただけ
肝心なローが一言もしゃべらないっていうね