氷細工の命は何処に
ーー気付けば、赤い水面の上に立っていた。
目の前にはさっき自分達を襲おうとしてきた化物達が、いくつもの大きな氷に突き刺さって死んでいた。
自分が何をしたのか分からない。
何が起こったのかも分からない。
降り注いでいる雫が地面を染めている化物達の飛沫なのか、さっき降り始めた雨なのか、それも分からない。
ぼやける視界を凝らして見た先、自分と同じ髪の色をした人が赤い水面に真っ赤になって倒れている。
ぐらついた体を支えることも出来ずにその人と同じように私もそこに崩れ落ちそうになった瞬間、泣きそうな声で誰かが私を呼んでいた。