ビスケット/安形+サスケ





 クリスマス、と言ったらオレに抱っこされたサスケはこちらを見た。いつもサスケは何かを話しかけてもボッスンをじっと見つめているだけで反応しないのでちゃんと聞いてたのか、と思うと同時にめずらしいな、とも思った。

「お、サスケはなんか欲しいもんでもあんのか?」

 サスケは大きなくりっとした金色の瞳をゆっくり瞬かせた。瞳の中に小さくオレの顔が映る。と、サスケは再び首を戻してボッスンへ。つむじがかわいらしい。短い腕が持ち上がって、人差し指がピンと伸びる。人差し指の先には、ボッスン。

「なんだよ、ボッスンならいつでもおまえの隣にいるだろ?」

 言ってしまってからあ、と思った。サスケは前にボッスンの赤いツノ帽子を羨ましそうに見ていたのだった。

「そっか、サスケはボッスンの帽子が欲しいんだったな」

 サスケが目を見開いてオレを見上げた。オレは笑って魔法の言葉を言ってやる。

「サンタさんに頼んどいでやるよ」

 頬がほんのりピンク色になったサスケがうれしそうに微笑んだ。



101225

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