どこだ、ここは。いや、見覚えがある。この天井。やわらかく光が入ってくるこの光景。室内をひんやりと満たす冬の空気を吸って起きあがると、うんざりした。またやってしまったのだ。安形さんの部屋で、ボクたちは。
 はっとして一人分のスペースのあいてあるシーツを撫でる。かすかな温もり。さっきまで寝ていたのだろう。またひとり取り残された。冷たいこの空間に。安形さんがいたはずのシーツを握りしめる。じわと伝わる温かさ、それだけが昨夜の出来事が夢じゃないという証拠になるわけで。

「おはよう。メリークリスマス」

 もう仕事に出かけてしまったものだと思っていた。よろよろと安形さんのもとへ辿りつくとボクはしっかりと彼にしがみついた。サンタクロースって、いるかもしれない。だとしたら、安形さんをプレゼントしてくれてありがとうございます。



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