椿が何か垂れてるんですけど…と抗議するも依然として笑顔を崩す様子はない。
「いいから食え」
「え…」
それは予想していたぽりっという軽快な音とはほど遠い、湿気たものだった。これまた予想外の味である。椿はチョコレートならば甘いと感じるはずなのに何故、と口の中に広がる果てしない苦みに顔をしかめた。
「苦いんですが」
「そりゃあ俺の遺伝子だからな。心して食えよ」
101111
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -