椿様に忠誠を誓ってからはや半月。オレが気づいたことといえば、椿様の視線はいつもあいつを追っている、ということだった。そいつは元生徒会長で置物会長、と呼ばれていたらしい。やつはオレも触ったことのない椿様の頭を馴れ馴れしくなでてのんきに笑った。それに嬉しそうにはにかんで応える椿様を見るたびに心のどこかが羨ましい、と叫んだ。
 あいつじゃないと駄目なのか、オレじゃ駄目なのか。喉元から出かかった声を飲み込む。困らせてはいけない。そうして今日も、答えはでない。



110320

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