尻尾がゆらめく。誘うように、艶やかに。 「どうしましょう」 落ち着かせようと風呂に押し込むんじゃなかった。風呂上がりって、えろい。なんでこんなにえろいんだろう。風呂上がりの湯気をまとった身体からはかすかにシャンプーのかおり。湿った髪がうなじに張り付いている。火照った顔が赤い。 耳をつまむ。ふにゃん、と垂れていた耳は触れた途端に反射的にはねた。 「にゃに、ん、」 もふもふした柔らかい毛の感触がやさしい。薄い耳。甘噛みしたらふあ、会長、息が漏れた。 「これで肉球があれば最高なんだけどな」 110222 |