QUESTION3 「…兎に角、立って」 「リィかこの手を取ればな」 いけしゃあしゃあとラオは言う。あ、リィというのは私の愛称ね。 結婚の申し込みにOKしない限り、この見世物状態は強制的に続行されるらしい。冗談でしょ、と笑ってしまうのは容易い事だけど、これだけの従者を率いた上での冗談だとは到底思えない。 聞きたいことは、沢山ある。 マオウサマって「魔王様」なの?とか、 側近らしき人物の耳が尖っているのはどうして?とか、 取り巻き達の全員が人間離れした美形なのは何故?とか、 …どうして私を選んだの?とかね。 右も左も未だ分からないけれど、ずっと跪いたままのラオのアメジストの瞳がとても真剣だから。私は、彼の骨張った大きな手に自分の手を重ねた。 「―――ありがとう、我が花嫁」 手の甲に恭しく口付けるラオに、頬が熱くなったのはきっと気のせいだわ。 end 美青年+パン屋=魔王の花嫁 ←|戻|→ . |