逆襲2 | ナノ

逆襲2












 そこまで考えて本格的に苛ついた俺は、横っ面を殴るべく右ストレートを繰り出した。だがあっさりと片手で止められてしまった。苛立ちを隠しきれずに舌打ちする。


「いきなり随分なご挨拶だなァ」
「うるせぇ」


 ニタリ。色気がだだ漏れな笑みを浮かべた男に、脳内に警報が響く。本能的に後退ろうとしたが、その前に腰に腕を回され引き寄せられた。


「っやめろ!」


 暴れる俺をものともせずに、骨張った手が腰を怪しく撫でた。昨日の余韻がまだ残っていたのか、背中にゾクリとした悪寒とも快感とも判断し辛いものが走った。


「昨日は可愛かったのにな」


 ここに、とスルリと尻を撫でた。


「俺のを美味そうにくわえて涎垂らしてたくせに」
「っ」


 ビクン、と意志とは関係なく体が跳ねる。こいつに散々開発されたせいで、どこでも触られると感じる体になってしまった。しかもこの忌々しい男にしか感じない、だなんて笑えない冗談だ。



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