Say loving you!2 | ナノ

Say loving you!2












「会長、早くしないと誰かに奪われますよ?西谷君はモテるんですし」


 西谷君はまあまあ綺麗な顔立ちの部類に入る。この学園だと平凡、と言ってもいいかもしれない。だけど彼には惜しみない色気が放出されていて、かなり人気が高い。
 風紀は抱きたい抱かれたいランキングに入れないから正確には分からないけど、恐らく上位5位の中には入るんじゃないだろうか。もちろん、抱きたいランキングの方で。


「分かってる」


 しかし西谷君自身は自分がどれほど人気があるか、知らないらしい。会長の明白な好意にも気付いてないみたいだし、多分そういった色恋事にはとんと弱いんだろう。


「どうせ性的なセリフでも言ったんでしょう。そんなんだと本当に盗られちゃいますよ。ちゃんと好きだって言いましたか?」
「…言ってない」
「言ってないんだったら言うべきです。まずはそこからでしょう」
「…フられたらどうするんだ」
「知りませんよそんなこと」


 後ろから「副会長辛辣…」とか聞こえる。別に辛辣じゃないよ。ただ面倒なだけで。


「その時はフられても、意識させることが大事です。グイグイ押していけばいいんですよ。見込みはあります」


 西谷君は流されやすいタイプだとにらんでいる。その時は断っても、押していけば諦めて頷くはずだ。
 僕にだって人並みに親友の恋を応援したい気持ちはあるからね。是非さっさとくっついてほしい。そうすれば会長のお守りも卒業出来る。一石二鳥だ。


「当たって砕けろって言うじゃないですか。行ってきなさい」
「は?今からか!?」
「貴方がいるとここの空気が悪くなるんです。スッキリしてから帰ってきなさい」


 会長の首根っこを掴んでポイッと外に放り投げる。ドアを閉めてふう、と息を吐いた。これで一仕事終わり、と。


*


「…副かいちょー容赦無いねぇ」
「これくらいしないと実行しないでしょう、あの人は。さて、仕事しますよ」
「「「はーい」」」
「………最強」
「書記、何か言いました?」
「…なに、も」
「そうですか?」


***


Notice!の続編です
とりあえず三枝のヘタレ具合を書きたかったので満足です
副会長は僕っこでありかなり黒い人物です。尻に敷かれる会長(笑)
リクエストありがとうございました!



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