俺は俺のモンだけど2 | ナノ

俺は俺のモンだけど2











※15禁描写あり




 自分で吐き出した言葉がストンと心に落ちてきた。何ヶ月ぶりに口に出したかは定かではないが、やはりたまには言ってみるものだろう。久しぶりに酷く穏やかな気分になれる。俺は帝から離れて柔らかく笑んだ。俺の微笑みは高いんだけど、まあたまには、な。
 嗚呼、自分で思うより俺は帝のことを愛しているんだな。それでもきっと帝の俺に対する愛のほうが強いのだろうけど。
 そんなことをつらつらと考えていたから、俺は気付くことが出来なかった。帝の目に欲情の色が浮かんだことに。


―――バサッ


「―――!?」


 くるまっていたシーツを帝に剥がされた。真っ裸な俺は当然の如く隠しようがなく、帝に全てを晒す羽目に。


「何す…っんぅ!」


 あっさり唇を奪われた。そこで漸く選択肢を間違えたことに気付く。耳に残る卑猥な水音が室内に響く。後頭部を掴まれ逃れることが出来ずに数分。


「……っはあ、」
「…可愛い」
「んあ!」


 帝はバードキスを施しながら俺の素肌に手を滑らせる。その微かな刺激にゾクゾクとしたものが走り、体から力が抜けた。生理的に潤んだ目で帝を睨みつける。


「昨日も散々しただろ…っん」
「…足りる訳がないだろう。それに、煽ったのは薺だろ?」


 低く浸食する妖艶なる声音に酔わされる。俺がこの声に弱いと知っているくせに。狡い。拒絶することなんて出来るはずがない。
 俺は近づいてくる整った顔立ちに目を瞑りながら、明日は学校休まなくちゃいけないかな、などと考えていたが直ぐに帝に溺れさせられて何も考えることが出来なくなっていった。


end



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