異世界にこんにちは | ナノ

異世界にこんにちは












気づいたら知らないとこにいました、まる。


「えぇぇぇ」


 青い空、白い雲。美しい青々とした緑に映える色とりどりの花たち。


「これ、何処ですか」


 お城が見えるのって可笑しいよね。和風なら良いけど、いやいや宮殿だし?あれだ、世界遺産とかにありそうな、でも思いっきり現役っぽい城。だってだってなんか兵士みたいのがいるし。門でけー。


「いや、マジに此処何処?」
「ミュージ王国だが」
「へぇ…いや、そんな国聞いたことないんだけど」


 自慢じゃないが、俺は地理滅茶苦茶得意だ。だけどそんな国聞いたこともない。


「お前何処の田舎者だ?中心国を知らないなど」
「いや、だってさ俺此処の世界の住民じゃねぇみたいだし」
「ほう、やはり異世界の客人か。それもまた一興」
「ってかアンタ誰」


 今気づいたけど俺誰と喋ってたの?


「我は此処ミュージ王国の創設者だが」
「王様?」
「まぁ、そういうことになるな」
「アハハハハ」


 乾いた笑いが口から漏れる。王様?有り得ねぇぇぇええええ!!日本恋しいよ母国日本!ジャパン、プリーズ!!!なんだよ可笑しいだろ泣きそうだぜこのやろー。たーすーけーてー。


「まあ落ち着け」
「これで落ち着けれる人間いたら尊敬するよ」
「それもそうだな」


 クスリと笑う王様を見る。あっは、美形―。なに、平凡に対する嫌味ですかこのやろー。ああもう色んな意味で泣きそうだ本当色んな意味で。


「泣くな、苛めたくなるだろう」
「困った顔でどS発言ですか!」


 駄目だこの人駄目だ。誰だこんなの王様にした奴。どSだよ、ねぇ。苛めたくなるって俺にどうしろと!?


「お前、そそられる」
「いらねぇ!心からそんな言葉いらねぇ!」
「まぁまぁ。とりあえず城に来い」
「嫌だ!何であんたなんかと!!」


 ズルズルと引きずられてされるがまま。だって力の差は見れば分かるし反抗もしたけど無駄だったし?ああもう。どうにでもしてくれ!!


end



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