Grow up! 4 「元に戻る薬って出来ますか?」 「いや、原因が分からないと打つ手がない」 「そうですか…」 このままでもいいかな、という思いも過ぎるがまだまだ学びたいことがある。時間が欲しい分、元に戻った方が助かる。 海はどうにか戻ることは出来ないかと考え込む。まあ、と一つ前置きしてヴァンが呟いた。 「犯人は大体見当がつくがな」 「誰ですか!?」 「精霊達だろう。あいつらは何かと悪戯が好きだ」 <あら、もうバレちゃったの?> 姿は見えないが、この声はシルフだ。海はキョロキョロと見渡して、空間に声を掛けた。 「シルフさん、元に戻してください」 <嫌よ。折角時空の精霊を見つけ出して協力させたのに勿体無いじゃない> 「お前な…」 <あらあら、でも成長した海も悪くないでしょう?> 「それはそうだが、今じゃなくてもいいだろう」 <まあそう言わずに。今日一日はそれで居てもらうわ。明日になれば元に戻すから安心して> そう言い残してふわりと風が家の中を吹き抜けた。気配がなくなったため、恐らくもうここにはいないだろう。 ←|戻|→ . |