2011 バレンタインデー 無意識に認めた人は、いつしか 「あ」 「どうかしたか?」 ふと思い出して「あっちゃー」と心の中で呟いた。しまったぁ、今日がバレンタインだなんて完璧に忘れてたー。…どうしようかなぁ。 チラリと先輩を見上げてみる。キョトリとする先輩は、此方の意図に気づいてないらしく安堵する。 ふむ。どうしよっかなー。あ、そういえば。 「ちょっと待っててねー」 「?ああ」 キッチンに向かってゴソゴソとしてみる。あ、あったぁ。じゃじゃーん、板チョコー(ど○えもん風)。 取り出して欠片を口に放り込む。飲み込まないように注意しながら先輩の元へと戻った。 「んむ、りゅーがぁ」 「?なんだ…、」 振り向いた先輩にキスする。で、そのまま口移し。 「んん…っはぁ」 「っ…甘」 「チョコだもーん」 にっこりと、してやったり顔をしてみせる。すると一瞬のうちに唇を奪われた。獣みたいなキスに翻弄される。 「やぁっ…ちょ、んぁ…りゅー」 「…いきなりどうしたんだ?滅多に自分からキスしねぇのに」 「はぁっ…今日はバレンタインでしょおー」 「…覚えてたのか」 「む、忘れてると思ってたのぉー?」 「そりゃーな」 「まぁ否定出来ないんだけどー」 やっぱりな、という先輩から顔を背ける。だって忘れてたんだもん。けど、すぐにまた先輩に口付けられた。トロトロに溶かされた僕は恐らくうっとりした目で先輩を見上げる。 「行くぞ」 ひょいと僕を軽々持ち上げて、笑う。 「バレンタインだしな、チョコプレイでもするか?」 にやりと笑んだ先輩に僕は顔を引き攣らせる。 「えっと、遠慮しま…」 「よし、用意するか」 「ちょ、待ってぇえ!」 end ←|戻|→ . |