池田攻め2 「なにすっ、んぅ!?」 池田に抗議しようと口を開けば間髪容れずにぬるりとしたものが入ってくる。何度されても慣れないその感触に目を見開く。 何でコイツ舌入れてんのおおおおお!!? 叫びたくとも叫べない。だって口塞がってるんだもん☆ 「もん☆」とかそんな状況じゃねぇよ!混乱している俺は何も出来ずに口内で暴れる舌に呑み込まれていった。 「ん、…ふぁっ…」 経験を積んでなさるだろう池田氏は大変キスが上手いもので、強張っていた体の力が自然と抜けていくのを感じた。誰もいない静かな廊下で水音と耳につく俺の甘ったるい声だけが響く。 学校で不健全なことをしている背徳感に背中にゾワリとしたものが這う。 「…っなに」 「馬鹿」 いや、俺が馬鹿なのは皆知ってると思うけど。 「今度から俺以外に触らせるな」 棘のある声。でもその割に交わった池田の目は揺れていて、俺に拒否することなど許されなかった。 「…うん」 ゆっくりと頷いた俺を、池田はらしくもない優しい手つきで抱きしめてきた。池田の香水に包まれて、漸く安心出来た俺も厚い胸板に頬を寄せる。 好きだなぁ、なんて今更なことを呟いた。聞こえたらしい池田の抱きしめている腕の力が強まって見上げれば。 「…耳赤いよ、池田」 「うっせ」 ぶっきらぼうな答えに小さく笑って、身長の差を埋めるために背伸びをした。少し赤い目元が凄く愛おしく思えて。目を見開く池田の唇に、俺の唇がそっと触れたのだった。 end ←|戻|→ . |